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はにログ◎シンプルをほどよく楽しむ

2016年1月から1LDKで彼氏と同棲を始めました。ややミニマリズムに傾倒気味。油断するとすぐに部屋が荒れます。

【読書】残り全部バケーション–裏稼業だけど友達が欲しい!

タイトル買い。伊坂幸太郎だし。

会社員になってしまった以上バケーション(長期休暇)はもう手に届かないものなのだろうか。
半年とは言わない、1ヶ月くらいお休みがほしい。生まれてから学校を卒業するまで、定期的にバケーションを与えられていたのに、社会人になったとたん取り上げなんて、こんな殺生なことはないだろうよ。
うう〜〜〜休みたいよ〜〜〜

残り全部バケーション

残り全部バケーション (集英社文庫)


そういえば伊坂幸太郎の本読むのも何年ぶりなんだろうか…。伊坂幸太郎にはまったころに、当時出ていた本は一通り読んで満足して、それっきりになっていた。重めなテーマと軽快なタッチ、さりげない伏線回収が好きなんだけど、本作「残り全部バケーション」も期待を裏切らない作品だった。
あっと言わせる謎ではないけど、伏線が回収されたときのさわやかさは伊坂作品ならではだな、と思います。

あらすじ

人生の<小さな奇跡>の物語
夫の浮気が原因で離婚する夫婦と、その一人娘。ひょんなことから、「家族解散前の思い出」として〈岡田〉と名乗る男とドライブすることに──(第一章「残り全部バケーション」)他、五章構成の連作集。(amazonから引用)
裏家業の「岡田」がキーマンの5つの短編集。

ネタバレあり感想

第一章 残り全部バケーション
「友達になろうよ。ドライブとか食事とか」
表題作。父親の浮気で離婚が確定した早坂家最後の家族会議。そんな折家族離散の原因の父親の携帯の元におかしなメールが届く。
ワケアリな岡田と早坂家の奇妙なドライブの話。
家族離散なのに、登場人物がみんな軽〜いところが面白い。特にお母さんのキャラが好き。家族会議を「サミット」、自分を「常任理事国」と表現するセンスはスゴイ。

第二章 タキオン大作戦
虐待を受けている少年を「それらしく見せる」アイディアで救うかもしれない話。
未来からの自分がやってきたら、信じちゃうだろうなあ。実際に誰かに試してみたい衝動にかられる。
クソヤローの父親はどうでもいいけど、少年の未来が少しでも良い方向に進んで行くと良いなあ。

第三章 検問
溝口と太田がある人からの以来で若い女性を車で拉致する話。
拉致されている女性も非常にのんびりしているので、第一章のドライブのようなノリ。カリカリやっている太田が愛らしい。
「難しい仕事ほど分担すること。」というのが本章のキーワード。仕事も、犯罪も。

第四章 小さな兵隊
岡田の小学生時代。こんな子いたら、小学生だろうと惚れてまうわ!
このバルーンの男が溝口なんだろうか。この仕事も裏家業の仕事なのかな。

第五章 飛べても8分
溝口さん入院するの巻。とんでもハップンって耳に残る。私も高田みたいに流れで言いそうになってしまった。
入院患者みんなで食べ歩きブログを読んで談笑しているシーンは微笑ましくて好き。

最後に受信したのは誰からのメールだったのか。

サキさんから?どんな内容?それとも焼き肉屋のダイレクトメール?
読者の想像に任せる終わり方だが、私はきっとサキさん(岡田)から返信が来たのだと思う。
で、このサキさんと言うのは第一章の早坂沙季から来ているのは間違いない。となると、気になるのは岡田と早坂家のその後。
「友達になろうよ」というメールがきっかけだから、岡田と早坂家は友達になれたんだといいな。そして今に至るまで親交があるといいな、とその後にまで思いを巡らせるととても爽やかな気持ちになった。

溝口が岡田のことをそんなに気に入っていたとは思わなかったから、あと一章くらい溝口&岡田の話があっても良かったと思う。